こんな恋の始まり…




―――


――





「お姉さん」


「うん?」


「お、俺…大学に絶対受かるから」


「うん」


「う、受かったら…付き合ってくれへん?」


「へっ?」


「ほんまは、何回か、駅ですれ違ってて…か、可愛いなぁって思ってて」


な、なに?


いきなり何を言い出すん。


「そしたら今日、お姉さんハンカチ落として…チャンスやと」


「声掛けてくれたんや」


「うん」


「ハハハ… やっぱりナンパやな」


「……」


「まぁ、私も君をお茶に誘ったんやし…お互い様か」


「えっ?」


「大学受かって…もう一回、告白してな」


「ええのん?」


「うん。その代わり受かってからやで」


「絶対に受かる」


「ハハハ…」



「あ、お姉さん『君』」


「『名前は?』」





*Fin*