「ただいま、お母ちゃん」
「お帰りみかん。智くん来とるで。」
「うちの部屋に呼んどいて~。」

今は誰にも会いたくないんやけど、智ならええかな。まだ失恋の傷癒えてへんのよなぁ。

コンコン
「みかんちゃん?僕やけど。」
「おー、入りぃな。」
「お邪魔します。」

こいつは幼馴染みな智(さとし)。うちらはいつも一緒やけど、南ちゃんやあや姉みたいに付き合ってるわけやない。第一、智のことは幼馴染みとしか見てへんし。

「みかんちゃん、なんかあったん?元気ないみたいやけど。」
「さすがやなぁ智。うち失恋したんや。」
「恋しとったなんて初耳やわ。」
「南ちゃんとこで恋したけぇな。」
「そっか……。」

……なんで智が泣きそうな顔するん?泣きたいんはこっちやのに。

「あーもーっしんみりすんの禁止やッ!智ッこの話は忘れーやッ!」
「……そのほうがみかんちゃんらしいわ」

はぁ!?/////
落ち込んどんのはうちらしゅうないて!?うちやて落ち込むわっ!!

「でもな、みかんちゃん。悲しかったら泣けばええんよ?無理したらあかん。」
「智に言われたないわっ!/////」
「みかんちゃん顔真っ赤や。かわええな♪」
「はぁ!?////」
「真っ赤や真っ赤、あははははははっ」
「ちょっ智ッ!!///////」

end