「南ちゃんっ!!このメガネの人誰やッ」
「え、あぁ、睦月だよ。」

南ちゃんのアルバムあさっとったら見つけたわ、クラス写真。
睦月さん……。うち一目惚れしてもーたわ……。睦月さんかっこええわぁ……。

「睦月はやめとけ。恋人いるぞ。女には冷たいし。」

……矛盾しとらへんか?女には冷たいんやろ?せやったらなんで恋人おるんや?

「睦月の恋人はあれだ、特別なんだよ。ある意味でな。」
「頭ん中読まんといてっ!」
「顔に書いてあんだよ」

うち、そんなに分かりやすいんやろか……。南ちゃんに読まれるとか最悪やわ。

「とにかく、だ。睦月はだめだ。他のやつにしとけ。」
「そんなんいややッ!うちは諦めへんでッ」ダッシュ→
「みかんが傷つくだけやでッ」

うちは南ちゃんの言葉を聞かずに走った。南ちゃんにうちの気持ちはわからんのやッ

「睦月ぃ」

えっ!今どっかで睦月言うたでッ!……あっおった!睦月さんやッ!横におる男誰やろ。


「睦月ぃ、ちゅーしよ?」
「貴様は馬鹿か。こんなところで誰がするか。」
「じゃあ、帰ったらいっぱいしよーね?」
「ふん……。」チュッ

睦月さんが隣の男の頬に軽くキスをした。
睦月さんの恋人はその男の人なん?南ちゃんがいっとったんはこの事やったんや。最悪やな……。

「だからいったろ?みかんが傷つくだけだって。」
「南ちゃん……。」
「ほら、泣き止め。」
「うん。」

end