あ……冬真が泣いてる。ちっちゃい冬真が。また、あいつらにいじめられたんだ……。

「あんたたちっ!!とうまをいじめてんじゃないわよっ」
「うるせーばーかっ!おんなはひっこんではろっ!」
「おんなだからってなによっ!あたしはあんたたちなんかよりつよいわよっ!!」
「なんだとーっやっちまえっ!」

あいつらなんかに負けたくなくて、てゆうか、もとから喧嘩は強くて、めちゃくちゃやって、あたしが勝って、冬真がまだ泣いている。

「とうまっ!おとこのこでしょっ!?めそめそしてんじゃないわよっ」
「だって…いーちゃんいっぱいけがしてるんだもん…。」
「けんかしたんだからあたりまえでしょっ。さっかえってしょうどくよ。」
「うん。」

この頃の冬真は泣き虫で、いつもいじめられてたっけ。

「いーちゃん。」

冬真の声がする。

「いーちゃん、起きて。」
「ん…。あれ、夢。」
「夢見てたの?どんな夢?」
「んーと、冬真が出てきて泣いてた。」
「えっ……。いーちゃん、今すぐ忘れて。」
「なんでよ。可愛かったよ?ちっちゃい冬真。」
「今すぐ忘れなさい。」
「……はーい。」

ちっちゃい頃の冬真も好きだけど、今の冬真はカッコいいからもっと好き。

「冬真、大好き。」
「いーちゃん、愛してる。」

end