光が弱くなり次第に機械音が止み始めた。


周りを見渡すと何故か視界が陽炎のようにボャーっとしていた。


僕は目を擦ってまた周りを見渡した。

少しずつ視界がはっきりとし始めた。

前を見ると銀色の壁が見える。

僕は恐る恐る、マシンから降りてゆっくりとその壁へ向かう事にした。

ふと上を見上げると、とてつもなく大きく綺麗なビルがいっぱい並んでいる。

ただ、どれもが雲より高いものばかり。

僕は見上げ過ぎてその場にペタンとしりもちをついてしまった。


そのビルの周りには無機質な感じの角張った車や丸い型の車やレトロな感じの車が規則正しく空をビュンビュン飛んでいた。


僕は更に道を進んだ。

やがて、だだっ広い道が視界に入ってきた。

ゴミひとつなく、きれいに整備された清潔感のある真っ白な道路。

その両脇には均一に緑が植えられている。

そこをたくさんの人びとが行き交っている。

今とそんなに変わらない服装をしている人、やはり近未来的なテカテカのビニール製の生地をまとっている人、変な乗り物に乗って、ふわふわ移動している人、いろんな格好をしている。

そして洋服を着た犬や猫に見たこともない動物。

極めつけはロボットが道を歩いていた。

僕はワクワクして更に道を進んだ。


右を見ると立体映像がお店の看板の上で宣伝している。

左を向けば人型ロボットがカフェで働いている。

どこもかしこも見たことがないモノで溢れかえっていて想像以上の世界に僕は一人で興奮していた。




ふと隣から子供の声がした。