「美子、須藤さんのこと
嫌いなんじゃなかったの?」



相談の場を食堂に移して
すぐに祐美が聞いてきた。



「そうなんだけどさ…
さっきの教習で
初めて褒められて…」



しかも、見たことない笑顔で。



「そっか…じゃあさ、
篠原さんに聞いといて
あげよっか?」



篠原さんというのは
祐美の指導に付いてる教官。



若くて明るい女の人だから
恋バナなんかもするらしい。

でも……



「…いい。
どうせ告白とかする気ないし」



「まぁそうだよねー…
なんだかんだあと一週間で
終わりだし…」



そう、あと一週間で
合宿は終わり。

須藤さんとも離ればなれ…



せめてその間は
好きでいたいから

結婚してるかどうかなんて
知らない方が、いいよね…?