涙色の季節《短編》



「…………っ……」



ディスプレイを
たくさんの涙が濡らしていく。



声を殺すために口元を手で覆って
私は泣いた。

……止まらなかった。



バスには私のほかにも
何人か乗っていて
みんなが私をちらちらと見た。


私はその視線を避けるように
窓の方を向いた。




ガラスの向こうには
少し咲き始めた桜が見えた。




鮮やかなピンクが涙で滲んで
とても綺麗だった。















**end**