「もう、須藤さんやだ…」



ホテルの部屋で
祐美に愚痴をこぼす。



「…あの人、怖そうだもんね」


「…うん。すぐ
補助ブレーキ踏まれて
睨まれる…」



私が運転下手すぎるのも
あると思うけど、
それにしても冷たい。



「美子、打たれ強そうに
見えるとか」



「えーっ?
教習終わるとほっとして
毎回泣きそうなのに…」



「…まぁ、
頑張るしかないね」



祐美はそう言うと、
タオルを持って
シャワー室に入ってしまった。


祐美ーっ!
あんたしか愚痴れる人
居ないのに……



まだまだ言いたいことが
たくさんあった私は
教本の隅に須藤さんの悪口を
たくさん書いて、
気持ちを落ち着けた。