…須藤の文字があったから
また悪口かな、なんて
軽い気持ちで見た自分を恨んだ。
祐美の言うとおり
部屋で休んでいれば良かった。
――最後にこんなこと…
知りたくなかった。
私はポケットの中に手を入れ
昨夜ドキドキしながら書いた手紙を
握りつぶした。
須藤さん…結婚してるんだ。
私の様子がおかしいことに
気づいた祐美が、
勉強の手を止めてこちらに来た。
「どうしたの…?」
「渡す前に気づいて良かった。
私、恥かくところだった」
無理に笑って
私は落書きを指さした。
黙ってそれを読んだ祐美は
私より泣きそうな顔になった。