「美子…大丈夫?」
朝ごはんの時、祐美が
心配そうに私の顔をのぞいた。
「うん、ちょっと
寝不足なだけ……」
そう答えたけど、
祐美は私のお盆を見て
より深刻な表情になった。
「ご飯…食べないの?」
「ん、食欲なくって…」
目の前に並んだ
ご飯に温かいお味噌汁、焼き魚。
私はどれにも箸を付けず、
お茶だけをすすっていた。
「試験まで少し時間あるから
私自習室で勉強するけど、
美子は休んでる?」
私を気遣って
祐美はそう言ってくれたけど
「ううん、私も行く」
自習室には気になることがあったから
私はそれを確かめたかった。
ご飯を作ってくれた人
ごめんなさい…
心の中でそうお詫びして
私は席を立った。