「……書けた」
今の気持ちを正直に
私は文章にした。
そして、良かったらメール下さい、と
隅っこにメアドも。
本当は可愛い便せんに
書きたかったけれど、
紙といったらノートくらいしかなくて
それを丁寧に切り離して
小さく折り畳んだ。
つたない文章だけど
気持ち…伝わるかな。
時計を見ると
午前二時を過ぎていた。
祐美もすっかり
寝息をたてている。
私も、そろそろ寝よ…
そう思ってベッドにもぐり込んだけど、
ちっとも眠れそうになかった。
明日、渡せるかな…
須藤さんどんな顔するかな…
卒業…したくないよ――…
いろんな思いがぐるぐると
頭の中を駆けめぐり、
結局私は一睡もできなかった。

