「えぇ~!!爆笑!?
あの須藤さんが?」



食堂で祐美が驚く。



「うん…私が
鈍くさいからだけど」



お昼ご飯を食べながら
高速教習でのことを話した。



「美子と須藤さん、
大分仲良くなったみたいだねぇ」


冷やかすように、
祐美が言う。



「そうだと、嬉しいな。
けど…」



「けど?」



「せっかく仲良くなっても
明日で、お別れだよね…」



明日の卒業検定に合格すれば、
その日のうちに教習所を出て
地元に帰ることになる。

須藤さんとも、会えなくなる。



「美子……」



「まあ、帰っちゃえば
ただの思い出になるよ」



私は祐美にそう言い残すと
食器を片づけて
午後の教習に向かった。



須藤さんとの
最後の、路上教習……



また、須藤さんの笑顔が
見られるといいな。