睫毛…長いんだ。 一向に起きる気配のない須藤さんを 私はまじまじと観察する。 ふと、手元を見ていて気づいた。 指輪…してない。 独身、と思って いいのかな。 「…須藤さん」 試しに、呼びかけてみる。 …起きない。 「………好き、です」 起きているときだったら 絶対言えない一言を 私は呟いた。 「……大好きです」 口にしてしまうと 余計に想いが溢れて 私は胸が苦しくなるのを感じた。 離れるなんて… 考えられないよ。