「先生のせいって…どういうことなんですか?」

「わたしは彼に止めてほしかった。だから…彼が情報を盗んだ所に、タレコミをした」

彼は盗んだ情報のことを、タカシナには打ち明けて、自慢していた。

それを聞いて盗まれた所に、彼が犯人だとパソコンから密告したのだ。

「ちなみにその相手って…」

「暴力団だ。彼は拳銃の密売の情報を盗んだんだ」

ニュースでは心臓をナイフのような物で一突きにされたと言っていた。

そのやり方は素人よりもプロだと、聞いていて思ったことを、ナツキは思い出した。

「結果、彼は殺されてしまった…。わたしのせいだったんだ」

顔を伏せたまま首を横に振るタカシナ。

ナツキはそんな彼に寄り添う。

「…ボクはそう思わない。彼は自分のしたことの重さを分かろうともしなかった。先生が密告しなくても、いずれは同じことになっていたと思う」

「ナツキ…」

顔を上げると、タカシナはナツキを抱き締める。