コウガは深く息を吐いた。

シキと共に生きることを決めたのは自分自身だ。

しかし一緒にいるうちに、生活能力のなさに嘆くことはほぼ毎日だった。

だが追っ手を振り払うシキの戦闘能力の高さには、素直に尊敬していた。

「お前がマカのことを言える立場か?」

シキは赤い眼を細め、笑いながら間近でコウガの顔を見る。

「…それを言われると弱いんだけどね」

シキに人間を食べさせる為だけに、人間の興味を引く動画サイトを作った。

結果かなりの人間が犠牲となったが、コウガの心は痛まない。

すでにコウガの心は決まっていた。

どんなことが起ころうと、何をしようと、シキと共に生きることを―。