「何だか物騒だな」

事件現場が自分の近くで起こったこと、その上サイトにまで関係してきたことを思い出すと、まるで身近に迫ってきているように思えてナツキは震えた。

「気分変えよっと」

わざと明るく振舞い、ナツキはケータイを操作し、今まで自分が撮ってきた写真を見始めた。

ナツキは自分で写真を撮ることが好きだった。

しかしデジカメではなく、もっぱらケータイの写メを利用していた。

ナツキのケータイには美しい風景や花、友達の笑顔などがたくさん撮影されていた。

それをサイトに掲載したりして、なかなか評判が良かった。

「…でもしばらくはやめておこう」

こんな事件が起きてしまったのだ。

今は何かを撮る気にはなれなかった。

「はーあ。早くいつもの生活に戻りたいなぁ」