その後は特に会話もなく、ナツキは自分の家まで送ってもらった。

「それじゃあまた明日」

「はい、ありがとうございました。先生」

ナツキはタカシナの車を見送った後、ふと気付いた。

「…あれ? タカシナ先生、何でボクの家知っていたんだろう?」

タカシナはナツキの案内無く、この家に真っ直ぐたどり着いた。

まるで前から知っていたかのように…。

「でも先生はボクの担任じゃないしなぁ」

それでも部活の顧問だ。住所を知ることはできただろう。

「まっ、いっか。それよりお腹空いたな」

ナツキは気持ちを切り替え、家に入った。