警察の質問は本当に形式的だった。

部室のパソコンは調べられることになり、部活自体も一週間禁止とされた。

部員達は不満はあったものの、それでもサイトから解放されることに安堵していた。

ナツキは暗い表情のまま、家に帰ろうとした。

すでに夕日は消えかけ、辺りは夕闇に包まれている。

「太陽がないと寒いなぁ…」

呟きながら帰り道を歩いていると、後ろからクラクションが鳴った。

「アレ? タカシナ先生」

「今帰りか? 送っていくから乗りなさい」

「はあ…」

ナツキはタカシナの車の助手席に乗った。

「先生も今帰りですか?」

「ああ。これ以上、学校へいても居心地が悪いだけだからな」

素っ気無く言うが、その気持ちはナツキにもよく分かった。

「他の生徒がいろいろ言ってくるだろうが、気にすることはない。お前達は何一つ、悪いことなどしていないんだから」

「あっありがとうございます」