ところが部室へ行くと、顧問がいた。

「どっどうしたんですか? 先生」

顧問のタカシナは30代の男性教師、担当科目は情報処理だ。

「…悪いが、ちょっと困ったことになってな。部員全員に招集をかけるから、少し待っててくれ」

「はい…」

ナツキは自分の席に座った。

タカシナは自分の携帯電話を操作し、ここにいない部員達を呼び出した。

しばらくして全員が集まった中、タカシナは重い口を開いた。

「みんな、例の死体の写真のことは知っているな?」

部員達は首を縦に振った。

「実はつい先程、警察から連絡が入ってな。あの写真に映っている死体を発見したそうだ」

「っ!?」

声にならない声が、部室の中に響いた。

タカシナは険しい表情で続ける。

「あの写真は本物だったということだ。それで警察の方から、サイトの方を調べたいとの要求があった」

「あっ、やっぱり…」

ナツキは呟き、俯いた。

写真が本物の死体を映したとなれば、サイトの方も手が回るだろうことは予測していた。