「そっか…」

ナツキは残念そうに呟くと、ケータイをしまう。

「でも写真が出てたのは数分間だけだったんだけど、ネットではかなり騒がれてるみたい。気をつけた方が良いよ」

「うん、ありがと…。そうする」

ナツキはカバンの中のケータイを握り締め、眼を細めた。

朝一で向かったのは教室ではなく、所属しているコンピュータ部だった。

部室にはすでに部員全員がいて、各々自分のパソコンを見ていた。

「みんな、おはよう」

「あっ、ナツキ。ねぇ、見た? 死体の写真」

部員達は一斉にナツキに視線を向けた。

しかしナツキは残念そうに、首を横に振る。

「ボク、昨日十時には寝ちゃったんだ。だから見ていないんだけど…本当に死体の写真だったの?」

「それが、ねぇ」

部員達はお互いに顔を見合わせ、重いため息を吐く。

「部員達も何人かが見たぐらいで、写真自体はすぐに消えたの。だから本物かどうかは分からないけど…イタズラか嫌がらせだったらイヤよね」