「だい…」

私は、急いで涙がを拭いた。
ゴシゴシ拭いていたら、腕を急に掴まれ

「なんで、なにも言わないで出て行ったの?」

「……っ」

「なんで、泣いてんの?」

だいは、真剣な顔をして聞いてきた。
私は、なんて言っていいかわからず黙ってしまった。

「まいちゃん、こっち向いて」

顔を上げた瞬間キスをされた。
だんだん深くなって、呼吸ができなくてだいの厚い胸板をどんどんしてもビクともしなく、必死に酸素を捜した。

やっと離れた唇からは、いやらしく唾液の糸がひいた。

「はぁ、はぁ、はぁ」

「まいちゃんが、なにも言わないで出て行ったお仕置き」

息一つ乱さないだいがムカつく。

「……」

「なんで、なにも言わないで出て行ったの?」

次は、優しい目をして聞いてきた。

「だいは、優しいから…」

「ん?」

まるで、子どもをあやすように目線を合わせて聞いてくる。

「だいは、優しいから迷惑かけちゃう」

「……」

「だいは、優しいから行くあてもない私を可哀想に思ってずっとあそこに居させてくれるでしょ?」

「…確かにね。けど、それは俺が優しいからじゃない。」

「え?」

「まいが、好きだから。」

「っ、」

「まいちゃんが好きだからだよ。」

「………」