あの後、達也は私を、なかなか解放してはくれなかった。

ちょっと嬉しかったけど、苦しい気持ちのほうが断然大きいよ……。

達也の胸は、凄く暖かくて心地好かった。

このままいたら私は、どうにかなってしまいそうで達也の胸を力いっぱい押してやっと解放された。

「あーぁ。逃げられちゃった」

頬っぺたを膨らましながら言う達也。
普段そんな顔を見せない達也に馬鹿な私は、またキュンとする。

「朝からうるさいな……。私シャワー浴びてくる。」
「一緒に入る?」

「遠慮しとく」

そう言い放ち、私はそそくさとバスルームに足を進めた。

私って、ほんと可愛いげないな……。