おこりんぼ姫となきむし王子

「そういえば最後に飯食べに行ったのってどれくらい前だっけ?」


そう言うと綾も古い記憶を手繰りよせる。


「う〜ん…」と唸りながら思い出そうとしているが、表情を見るかぎり事態は好転しないような感じ。


ついに諦めて「思い出せないや」と僕に微笑みかける。


「だってここ半年ゆっくり会った記憶がないよ?」


「仕事忙しかったしな。」


そんな昔話をしていく内に綾の顔に影が差す。色々思い出していく中で、腹が立つことでもあったんだろう。


「さ、さぁ行くべ」


これ以上、昔の話をして綾の機嫌を損ねたくはない。


今までの話をしたっていいとこなんて一つも出てきやしない。肝心なのはこれからのことだ。


お互い素直になって、仲良くやっていくしかない。


大丈夫。


僕達はもう二人きりじゃないんだから。