おこりんぼ姫となきむし王子

もうすっかり辺りは暗くなっていた。


昼間はいい天気だったといえこの時間になると後頭部を吹きすさぶ風が結構冷たい。


「なんか飯でも食べにいこうか。こんな格好だからそんないい店には入れないけど。」


と言って僕が作業着をヒラヒラさせると綾が間髪いれずに突っ込む。


「そんな言うほどいい店に連れていってくれたことなんかないじゃん」


「確かに」いいお店につれていく以前の問題で、そういえば綾とあんまりご飯を食べに行った記憶がなかった。デートの記憶さえ半年くらい前の古い記憶をあさらないと出てこない。