『……うん』 「昔ね〜?」 それからあたしの昔話がはじまって、葵くんは微笑しながら聞いていた。 箸は進む、会話も進む、あたし1人ぼっち。 エビチリ、平らげちゃった…。 もうお腹いっぱい…。でも会話が終わりそうもない。 ……ぼっち。 「葵くんは昔どんな子だった?」 その会話にだけは聞き耳を立てた。 だって昔の葵くん…! 「俺は…」 母さん箸を止めて、葵くんを見つめた。 「あんま覚えてないです」 葵くんは困ったように笑い、母さんはクスリと笑った。