ぱれっと-part1-




どちらも何も言わなかった
どれくらいそうしていただろう



「少し落ち着いた?」


手はそのままで涼平が朱希の顔を覗き込む



コクリと頷いて

「ごめんね」
 
と呟く

約束守れなくてごめん、困らせてごめん




「ごめんはこっちだよ
いっぱい泣かせちゃって
泣くな、とか無理だったね」


また ごめん、と言いかけた時
涼平がふっと笑った



「俺もね……結構限界かもしんない」


恥ずかしそうに笑って格好悪ーと自分で言っている涼平の目にも少し涙がにじんでいた