天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

かくして一週間後。

天神学園グラウンドに特設リングが完成した。

休日という事もあって、観戦客が押し寄せる。

どこから嗅ぎつけたのか屋台が出ている始末。

噂のヤン男のラーメン屋屋台も出て、魔法少女や食いしん坊少女が替え玉連発。

大繁盛だな、ヤン男。

「全く…他人の喧嘩をお祭り騒ぎにしやがって」

特設リング上、早くも腕組みして立っているのはジャックフラミンゴ。

ピンク色のコスチュームがやたらと眩しい。

「先輩が一番手やんのか?」

リング下から声をかける十牙に。

「まぁ喧嘩売ったのは俺だからな。責任ってものが伴うだろ」

ジャックフラミンゴが頷く。

「なぁ、旦那…?」

その視線は。

「…………」

今まさにリングに上がろうとしている翡翠へと向けられていた。