そっとドアを引いて出てみる。




外はびしょびしょに濡れた床のタイルの上に使い捨ててあるロープが置いてあった。




「とりあえず、ふかなきゃ…」




濡れたまま上履きを手に持ってトイレから出た。




廊下は生徒も先生も、誰1人いなかった。




そりゃそうだよね。




もう授業始まってるんだし…。




とりあえず教室に入って丁度持って来ていたタオルで体と髪をふく。




「…服、どうしようか…」



びしょびしょに濡れた制服をどう乾かそうか…。




それに何に着替えよう…。





「…やっぱ体操服かな」




手に取った体操服を見る。




これを着て授業を受けるの?




恥ずかしい…!




1人体操服で、どうせ周りの人たちから笑われるんだ!




そんなの嫌だ〜!





「…なんて言ってる暇もないよね…」




仕方なく渋々と体操服に着替える。





大丈夫、みんな授業受けてるんだから、誰か来るなんてこと…




上を脱いだ時だった。










「やっべー!
遅刻した!」




ガラッと突然扉が開いて、下着姿の私と汗をかいて入って来た男の子と目が合う。





「「えっ!?」」




驚いた声がハモり、私はサーッと顔が青く、男の子はカーッ!と顔が赤くなっていく。





さ、最悪だ〜!




何でこんな時に!?




タイミング悪すぎ!





バッと手に持っていた体操服で下着姿を隠した。




すると男の子は




「あ、わ、悪ぃ!!」




と入ってきた扉から急いでまた出て行った。




「な、なんなの…」




今日はやっぱり最悪な日だ…。