ハッとなって気づく。



また私は先輩のことを考えてしまっていた。




『では、ついでということで、ここで告白してもらいましょうと想います!』



え…



「こ、告白って…
そんなの聞いてないですよ!」



いきなりのことで焦っている佳。



私も初めて聞くことだ。



『今、僕がひらめきました。
みんなも聞きたいよね〜!?』



テントにいる人や競技を終えて座っている人たちに聞く。



みんな



「ヒューヒュー、いいぞいいぞ!」



などと、盛り上がっていた。




先生たちは止めさせようとしていたけど、校長先生が先生たちを止め、乗り気になっていた。



まったく、どういう校長なんだ…。



仕方なく、私たち…いや、正しく言えば、佳は全校生徒とその保護者の前で大告白をすることになってしまったのだ。



「け、佳…?」



突然の展開で固まってしまっている。



当然と言えば当然だろう。



こんな大告白、学校の歴史的には今までなかったことだ。




その第1番手になれるということは好例だが、聞く方も何とも恥ずかしいものだった…。



みんなの注目を浴びて、今は先輩のことを考える暇なんてなかった。



「み、実梨…」



「は、はい…」



緊張してつい敬語で返事してしまう。




「俺はその…ずっと…」



来る!そう思った時だった。


「俺もずっと、実梨ちゃんのことが好きだったんだけど!」



そう聞こえて来たのはうしろから。





振り返って見ると、そこにいたのは…。









先輩だった…。