そして、王様ゲームは続いた。
「次、田口割り箸持って」
「うん」
またみんなそれぞれ引いていく。
「「王様だーれだ!」」
「……」
今度私が引いたのは2番だった。
「おーい、王様誰だー?」
「ふふふふ…」
村上さんがみんなに聞くと、木下さんが不気味な笑いを浮かべていた。
「げっ、まさか…!?」
「ハハハハ!
佐藤、そのまさかだ!
俺が、王様だー!」
王様と書かれてある割り箸を上にあげ、みんなに見せる。
「で、罰ゲームは何、王様さん」
「罰ゲームって…。
これは命令だよ。
でもそうだな…」
木下さんはうーん、と悩んでから何かひらめいたように手をたたいた。
「そうだ!
5番と2番がポッキーゲームするってのはどう!?」
「ポッキー…ゲーム…」
えっ、ていうか2番ってまた私!?
ウソ〜!
「けど木下、ポッキーなんてどこにあんだよ」
ハッ!
そうだ、ポッキーがなければこの命令は無効…。
ナイス佐藤さん!
「あぁ、それは心配するな。
ちゃんと井上が持ってる。
な、井上?」
「うん、イチゴ味のがちゃんとあるよ」
えぇ!?
何で持ってるんですか…。
ガクッと一気にうなだれる。
…誰が5番なんだろ…?
ポッキーゲームは嫌だけど、相手が誰なのかは気になった。
まさか、黒木先輩だったりして…。
「さっ、5番と2番誰?
…って聞いて素直には手、挙げれないよな…。
じゃぁ、せーので挙げれば恥ずかしくないっしょ?」
そういう問題なのかな…。
「じゃ、せーの!」
えぇぇい!
もうどうとでもなれ!
ギュッと目を閉じて手を挙げる。
すると
「「おぉー!?」」
という驚きの声が聞こえた。
私の他に誰が挙げてるんだろ…。
気になって目を開け、みんなを一通りみて見た。
そして、少し恥ずかしそうに手を挙げている人を見つけた。
「ウソ…」
私の相手は…
またしても紀田くんだった。



