3時間目の次は移動教室。
「実梨〜、行くよ〜?」
「教科書が見つかんない!先行ってて〜!」
「わかった!」
私を待ってくれていた女の子たちは先に行った。
机の中をガサゴソとあさる。
「も〜、どこよ教科書〜
……あ、あった!」
やっと見つけた教科書と筆箱を持ってチラッと壁に掛けてある時計に目をやった。
「うわっ!あと二分ぐらいで鳴るじゃん!」
次の授業の先生は厳しくて怖い人。
だから遅刻なんてしたらネチネチ言われそうだ…。
「急がなきゃ!」
教室を急いで出て、廊下を走った。
あともうちょっとでつきそう、というところで、誰かにドンッとあたってしまった。
その衝撃でしりもちをつき、教科書と筆箱がバサッと床に落ちる。
「いった〜」
「ごめん、ボーとしてて!」
「いえ…」
差しのべられる手をとてって、立ち上がる。
スカートをパンパンとしながら
「こちらこそすみません、急いでいたので…」
「はい、教科書と筆箱」
「あ、どうも…」
2つを受け取り、顔を上げてぶつかった人を見たとき、驚いた。
「あれ、キミ…」
「黒木先輩…」
その時ちょうどチャイムが鳴った。
ヤバい!
「先輩、私急ぐのでこれで失礼します!
すいませんでした!」
その場を逃げるように走って行った。
勢いよくガラッと開けるのと同時にチャイムも鳴り止んだ。
みんなの視線が痛い…。
「桜井…」
アウトだった…!?
「…授業を始めるぞ、座りなさい」
「あ、はい!」
すぐさま自分の席に座る。
「実梨、よかったね
セーフだよ」
「そうみたいだね」
隣の女の子とコソコソ話して笑い合う。
あ、先輩にあの時のお礼言うの忘れてた…。



