「え、何?
黒木と早瀬、別れたの?」
驚いた顔をして、木下さんが二人を指さしながら見ていた。
「そ、私からフッたの」
…早瀬先輩。
「へー、早瀬からか。
あんないつもべったりいたのになー。
…てことはお前今フリー?」
「そうだけど?」
「…だったら俺と付き合わね?」
「却下」
「そんなスッパリと!?」
1秒も立たない間に早瀬先輩は木下さんからの告白?を断った。
「ハハハハ、お前スッパリフラれてんな!」
黒木先輩の一言で周りも笑いだした。
「はー、笑い疲れた」
お腹を押さえながら笑っていた木下さんが突然立ち上がり
「よし、人数もこんだけいるわけだし、カラオケは一旦休憩して、王様ゲームしようぜ!」
キラキラした顔で言い出した。
「王様ゲーム?」
「おう、井上。
頼む」
「了解」
井上と呼ばれた髪を巻いた少し背の低い女の人は、自分のカバンの中をガサゴソとあさり、中から何本かの割り箸を出してきた。
「な、何でそんなもんが…!?」
「あれ、早瀬知らないっけ?
いつでも王様ゲームができるように、いつも井上に持たせてんだよ」
「…意味わかんないし」
早瀬先輩の言う通り、ちょっと意味がわからない…。
つまり木下さんたちは毎回王様ゲームをしているのだろうか…?
「よーし、準備できたな!
ではこれより、再会と新しい出会い?に祝して、王様ゲームを始めます!」
「「わー!!」」
木下さんたちは盛り上がってるけど、私たちは呆然と見ていることしかできなかった。