先輩を真ん中に挟んで歩いていく




「……」




「……」




「……」





…なんだろう、この沈黙は…。




沈黙が続いて行くなか、とうとう早瀬先輩の家についてしまった。




…てかでかい…!




「じゃぁ…」




「あぁ、また学校でな」




そのまま玄関の戸を掴んで入ろうとした時、クルッとこっちに向き直った。




「愁…。
私、愁よりももっといい男見つけてやるんだから!」



真剣な顔をして言った後、笑顔になった。




そしてそのまま「じゃあね」と中へ入ってしまった。




…やっぱり、早瀬先輩はすごい人だ。




最初に会った時からすごい人とは思っていたけど、今日で早瀬先輩への印象が変わったような気がする…。




チラッと何気なく先輩を見てみると、先輩は隣で早瀬先輩の家を見ながら優しい笑顔で笑っていた。




「先輩?」




「…あ、ごめん。
そろそろ行こっか」





そう言って歩きだした先輩はなんだかとても嬉しそうだった。