先輩の胸を押して、 体を離した。 こんなに幸せなのに 私はまだ、満たされてない。 ────────────欲張りだ。 だめだ、と先輩から視線を逸らし 自分の情けなさに再度涙が頬を 伝っていく。 「 ・・・先輩、私・・・ 」 ”今日は帰ります” そう、言うはずだったのに、 ”言わせない”と先輩の 唇が私の口を塞いだ。