「…っらぁ!!」

後衛が全力で走りこんできた。

でも…後ろががら空きだった。

このボールはあたしが決める…!

決めなきゃ前衛じゃない…!

 「…っ!!!」

後衛の真後ろにスマッシュが決まった。

ボールが2回バウンドして、コロコロとコートの隅に転がっていくのが見えた。

…ベスト8確定…!

 「よっしゃぁ!!!!」

自分の手で勝利を掴むことが出来た。

それはすごく嬉しいことで…。

 「ゲームセット!!」

でも、少し罪悪感もあったりする。

 「…ありがとうございました。」

自分の前で泣かれるとやっぱ辛い。

 「握手、いいですか?」

日花梨先輩がそう言って手を差し出した。