…なんて思ったり。

 「もう少しで学校着くぞー。
  降りる準備!!」

バスの中が慌しくなる。

 「忘れ物の確認は各自で。
  俺は知らんからなー。」

歴代の先輩でバスの中にラケットを置いてきた人がいて、ものすごい説教をくらったらしい…。

 「ああ、思い出も忘れずに。」

岸先輩がそう言うと、なんだか冷たい風がバスを吹きぬけた気がした。

 「…おい、エアコン強くないか?」

 「すっげぇ寒かったの、俺だけ?」

 「マジ鳥肌。」

 「ちょ、お前ら!!
  さっきまでの話のくだりなんだ
  ったんだよ!?」

あたしと日花梨先輩は顔を見合わせて思わず笑ってしまった。

 「ほらー、祐輔がくだらねぇこと言
  ってる間に着いたぞー。」

 「先生まで!!」