あたしにだってわかる。

 「それも後輩の配球あってこそ。
  そう思わない?」

あ、さっきのでかくてゴツい部長…。 

木下さんだったっけ? 

 「2人で1本。
  ですよね、先生?」

 「そうだな。  
  2人で1本。」

先生は満足したような笑顔で後衛側のコートへ歩いていった。

 「…だから前衛には責任がある。
  決める責任。
  サッカーでいうストライカーみた
  いなね。」

 「わかります。それ。」

木下さんを精一杯見上げながら言った。

 「次もやってやるって。
  繋げてくれた後衛の為に。
  そして応援してくれる人のために
  …。」

だからあたしはボールを追っかけるんです。

その1本がほしいから。