「生意気だっての。
  たかが一勝したくらいでさ。」

大野先輩がジャージを歩斗になげる。

 「っわ!
  ちょっと!」

 「ま、勝つのは俺らだけどね。」

大野先輩…そんなこと言っちゃって。

 「ま、啓人達の試合はすぐ中断され
  るだろうけど。」

先生が隣のコートを見た。

 「3-2!」

3-2って…。

さっきは2-1だったはず…。

歩斗の試合に集中してて気づかなかったけど

…佐伯先輩達は見事な追い返しを見せていた。

 「面白くなってきたじゃん。」

誰かがそう呟いた。

…なんでだろう。

なんかすごいワクワクしてる。