お父さんに電話をかけて、急いで呼び戻す。 電話を持つ手が、震えた。 戻ってきたお父さんと一緒に、ナースステーションで延命措置の話を聞いた。 お母さんは前に、 『植物状態になるなら延命はしたくない』 と言っていた。 私はお母さんの喉に穴などあけたくなかった。 それは、誰もが同じ気持ちだった。 これ以上、お母さんを傷つけることは誰も望んでいなかった。