YONAGO-LOVE STORY【2】


「…こっち寄れ」

助手席のお前の肩を抱き寄せ…目を閉じ

オレは唇を重ねた…

遠くから聞こえてくる波の音が耳に優しい…

が……当然ながら

これはやはり違う…


これは明らかに違う

愛情のないキス…

オレはお前からの…


リクエストに答えただけ。


これはあんまりだろ…

酷だろ…

やべぇぞ…ますますお前を傷つけちまう…


重ねた唇をやがて離す…


「加奈枝…お前じゃない。

ごめんな…」

お前は頷く。

「な……ごめんな… 」


「お兄ちゃん…ありがとう…

私…吹っ切る…」

…ありがとう…?


「いずみさんと…

幸せに……」

幸せに…なんて

今のこのタイミングで…

改まって

お前からそう

言われたら…

今言われたら…切ない
複雑だ…

一人の女をこうして

傷つけた男だよ…

『おうょ!幸せになるぞ!!』とは

当然返せない。

でもコイツ
…お兄ちゃん…とオレをそう呼んだ加奈枝は

すでに気持ちの切り替えに進もうとしている。

交わす握手…

なんか今にもオレの方が泣き出しそうになりながら…出した右手。

力強く握りしめあった!!

和解の握手…


オレの頭に


いずみ…アイツの顔が

浮かんだね…