「みちる、石田と山川のどっちがええ」
 「うちがやるの」

 「お願い、みちるがやって」

 リンはみちるに向かって、両手を合わせている。

 「しゃない。うちがするわ」
 「どっちや」

 葵がみちるに迫った。


 「石田君」
 「これで、決まり」


 話し合いの結果、花婿は石田君、花嫁はみちるに決まった。


 葵はよくよく考えてみると、姉パンツはジャニーズ系で、クラスの中で一番イケメンだと思った。


 死神よりも格下の花婿。


 模擬結婚といえ、それでは葵のプライドが許さなかった。

 それだけに、花嫁役は降りるしかない、と葵は考えていた。