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「私、元の家に戻るんです」

「ん、そっか・・・」

「ヒロに・・・コレを受け取って欲しいんです」


そう言ってミズが差し出したのは、
ミズがずっと持っていたスケブだった。


「え、でもコレ・・・ミズの画が・・・っ」

「ヒロに受け取って欲しいんです・・・!」

「──・・・・・ッ」


俺はそのスケブを受け取る。

そして何となく、スケブをぱらぱらっと
適当にめくる。


最後のページに描かれていたものを、
俺はこの目で目の当たりにする・・・。



「コレ・・・ミズが描いたの・・・っ?」

「うん・・・ヒロだよ・・・」



そのページに描かれていたのは、
俺の“笑顔の画”だった。



そしてその片隅には、

『大好きだよ』

の文字・・・。


「ミズ・・・っ」

「大好きだよ・・・ヒロぉ・・・っ」


次第に俺たちの目は涙で滲みはじめる。



「俺も・・・俺も好きだよ─・・・っ!!」


思いっきり抱き寄せたミズの肩は、
今にも壊れてしまいそうだった。

涙のせいで熱を帯びた目元。
涙でぐしゃぐしゃになった俺たちの顔。


何でもいい。
俺はただ、ミズと抱き合って泣いていた。


「ミズ、いつか絶対に逢おうな・・・っ!」

「ぅん・・・うん・・・っ!!絶対です・・・っ」




俺たちはそんな永遠に続く約束をした。
この約束は、絶対に途切れる事が無い。
俺たちがまた、再会するまで─・・・。

俺は忘れない。
ミズと出逢った日の事、
笑い合った日の事、
泣きあった今日の事も・・・。




「ミズ・・・またね・・・?」

「うん、ヒロも・・・っ」


*+...End...+*
─*+心に咲くあの花の名前+*─