─病院*玄関入り口─


「はぁ・・・はぁ・・・」

俺は受付の人にミズの病室を聞く。


「ゆ、結城未寿さんの病室って何号室ですか?」

少し息を切らしながら言うから、
受付の人はちょっと吃驚した様子。


「結城さんですね?・・・305号室です」

「ありがとうございました」


俺は猛ダッシュで305号室まで走る。
通りすがりの人達が俺を何の騒ぎかと言ったような目で見る。



そして、305号室に到着した。

ドアの横には『結城未寿』と書かれた札。


「ここだ・・・」

俺はゆっくり手をドアに伸ばし、
深呼吸をして息を整える。



ミズに逢うのは久しぶりだから緊張する。
もしかしたら俺の事、怒ってるかもしれない・・・。

でも─・・・


俺は有りっ丈の勇気を振り絞り、
ドアをスライドさせる。


「・・・ミ、ミズ・・・?」


そこには、あの時と同じミズの姿。
スケブを片手に鉛筆を走らせるその姿。

「・・・ミズ・・・ッ」


「えっ!?ヒ、ヒロ・・・っ!!?」
「何で・・・っ?え、えぇ!?」


ミズはものすごく吃驚していた。
愛しいよ・・・。


「ミズ・・・ゴメン、俺・・・」
「ミズを一人にして・・・本当にゴメンッ!」


歯を食い縛って頭を下げる。