「千里の機嫌なおったか?」
教室にもどるとたっちゃんがすでに教室にかえっていた。
「あぁ、うん。」
機嫌がなおるという話ではなかったのだけど…。
でも、たっちゃんの“お前はセフレでも嫌だ”発言に傷ついて泣いていたと正直にいうこともできなかったから、私はちさのことをそれ以上話さなかったし、幸い、たっちゃんもなにも聞いてはこなかった。
「ねえ、たっちゃん。」
「ん…?」
「もし、地球に私とたっちゃんしかいなくなっても、あたしたちはずっと友達のまんま死ぬんだろうね」
いきなり頭の中に思い浮かんだ想像を私はなんとなく口にしていた。
「突然なに?」
「えっと、つまり私とたっちゃんは、友達なの。ずっと。」
ちさを見ていて思った。
私は絶対にたっちゃんにそんな感情をもつことはない。
「どうせ死ぬならきぃとは友達やめるわ」
「絶交するってこと…?
やだなぁ。どうせなら仲良く人生全うしようよ」
「男は狼っていうだろ。わかってないな。相手がきぃでも俺は狼になるかもしれないだろ?」
「じゃあ、たっちゃんは狼になる前に私から離れることを選ぶの?
だったらたっちゃんは以外といい奴かも。」
「ていうか《もしも》のことを考えるなんて俺は無意味だと思うな。
人間、綺麗事しか言わないんだよ。あ、授業はじまんぞ。」

