「あ!!瑞稀、斎藤先輩いるよ」
「え、嘘!?どこどこ?」
私、井崎瑞稀は一個年上の斎藤柊先輩に片想い中。
お昼休み、中庭が見えるこの教室で友達の佳奈と一緒に斎藤先輩を見る。
周りからはストーカーとしか言えないことをやっている…
「ねーカナ、めっちゃカッコいいと思いません?」
ウインナーを頬張りながらカナに聞く。
「…まあカッコいいんじゃない?」
曖昧な返事が返ってきた。
私は中庭の方を向く。
一際目立つグループの中心が斎藤先輩。
不良まではいかないけど
ちょっと茶色の髪に、着崩した制服。
首元には南町の駅前にあるお店で買ったと思われるネックレスをしている。
もう調べ済みだ。
