「ここが・・・」 ここが、池田屋。 民家に隠れるようにして、こっそりとそれを把握する。 一見見ればただの大きな宿泊所。 まさか、こんな所に長州藩士が集まっているとは近隣の住民も思わないだろう。 ここで、この後・・・ 「っ!」 篠原、だ。 尾行したのがバレないよう、しゃがみこんで息を殺す。 間違いない。 篠原は辺りを気にした様子もなく、悠々と池田屋の中に消えていった。 まさか、本当に? 悪い予感がする。 今日、ここで何かが起こるような。 池田屋事件以外の、何かが。