「お姉ちゃん、ありがとう!」 「うん、元気でね」 大樹君はまだ涙で赤くなる目をしながらも笑顔で私に手を振り足早に去っていった。 …何でだろうね。 嬉しいはずなのに私の胸は虚しさで一杯でぽっかりと穴があいたようだった。 幸せそうに笑う二人の顔が目に浮かぶがどうしても言葉では言い表せない負の感情が私を渦巻いていた。 「…はぁ。だめだめ。こんな気持ち抱いても自分が惨めになるだけなんだから」 1つ溜め息を吐き出し私はいつもの通学路を歩き始めた。 ―そう、いつも通りに…