ゴクリと大樹君が唾を飲み込んでいるのが聞こえた…
私は一度深く深呼吸をしてゆっくりと、そして一言一句間違えないよう、あの女の子…舞佳ちゃんの伝言を大樹君に伝える。
「舞佳ちゃんから…
『大ちゃん。ごめんね。 もう私は大ちゃんの隣にいる事はできなくなっちゃった…。でも私は天国にいっても忘れないよ
大好きだよ……』
…って言ってたの。
そしてこれ」
はい、と私から手渡したのは女の子がつける髪飾り。
死に際までつけていたという代物らしかったそれは大樹君の手にしっかりと握り締められている。
「本当に…舞佳が……?」
「…うん。舞佳ちゃん、 大ちゃんは泣き虫だから って最後まで気にかけてたよ」
「そ、そ…んな事……
っねぇよッ………」
必死に涙を堪えている大樹君は目を乱暴に拭うとまっすぐと私を見上げ…

