妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~




「…うん」


『ねえ。教えて?
私、死んじゃったの?』



彼女の純粋な瞳に戸惑う…。


きっと訳もわからない内にこうなってしまったんだろう。

そして彼女も薄々は気づいている


自分は既に………―





『…お姉ちゃん?』




私は彼女の前にしゃがみ込み小さな体を抱きしめた。


それは実体がなく唯、宙を抱きしめているにすぎなかったが…




「貴女はもう………」



『―…そっかぁ…。

もう大ちゃんに会えなくなるんだ。


…………お姉ちゃん』



「ん?」


『私、天国にいけるかな?』


「うん。大丈夫」



『なら良かった。

あ、あと…お姉ちゃんにお願いしたい事があるの』



「ん?何?」