だが暑さのせいなのか大分萎れてきているようだった。
「…時間、余裕だよね」
私はそう呟くと近くの最近出来たばかりのコンビニへと足を動かしペットボトルの水を買うと再び さっきの電信柱に戻って瓶に入っていた水を入れ替えてあげた。
「枯れないでね…」
お花にも少し水をかけながらそう話しかけていた
…その時だった。
『…ありがとう』
後ろから声が聞こえ立ち上がり振り返るとまだ小学生くらいの女の子が立っていた。
『それね…大好きだった男の子が置いてくれたお花なの。』
女の子はもうこの世の人じゃないのは明確だった
ここは先月、交通事故が 起こった場所だったのだ
「…そっか。」
『でもね。何度声をかけても返事してくれないの。
私はここにいるのに…
泣いてばかりいるの。』

